カラスウリ
カラスウリ
カラスウリ ウ リ科・ カラスウリ属
         学名:Trichosanthes cucumeroides



原産地は中国・日本で、日本では本州・四国・九州に自生する。林や藪の草木にからみついて
成長する。葉はハート型で表面は短い毛で覆われる。雌雄異株で、ひとつの株には雄花か雌花
かのいずれかのみがつく。

花 期は夏で、7月〜9月にかけての日没後から開花する。白色で5弁のやや後部に反り返る花弁は、
縁部が無数の白く細いひも状になって伸び、直径7〜10cm 程度の網あるいはレース状に広がる。

こうした目立つ花になった理由は、受粉のため夜行性のガを引き寄せるためであると考えられており、
スズメガの ような大型のガが飛来し、吸蜜、受粉に与る。



花 筒も非常に長く、スズメガ級の長い口吻を持ったガでなければ花の奥の蜜には到達することはで
きず、スズメガが蜜を吸うために長い口吻を花の奥に差し込むと、顔面に雄しべや雌しべが押し付け
られる。


花は翌朝、日の出前には萎む。

分布=本州・四国・九州
花期=7〜9月











この蕾の状態が夕暮れとともにゆっくり開きだし午後7時
ごろには(上の画像)開ききった状態になった。















雌花の咲く雌株にのみ果実をつける。果実は直径5〜7cmの卵型形状です。
果実=9〜11月
10月〜12月にかけて赤く熟す。















10月から11月末に熟してオレンジ色ないし朱色になり、つるがからみついた枯れ木の中でポツンと
目立つ。名前と異なり、特にカラスの好物というわけではない。

鮮やかな色の薄い果皮を破ると、内部には胎座由来の黄色の果肉にくるまれた種子がある。

この果肉はヒトの舌には舐めると一瞬甘みを感じるものの非常に苦く、人間の食用には適さないが、
鳥が摂食して種子を運んでいる。


中にある黒褐色の種子はカマキリの頭部に似た特異な形状をしており、その形から『打ち出の小槌』
にも喩えられる。
そのため財布に入れて携帯すると富みに通じる縁起物として扱われることもある。

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